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はじまり

SIer 業界に就職・転職するなら,プログラミング言語をいくつも勉強してないで「『なぜ』本」を一通り読むべし!!

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SIer 業界に晴れて内定し,希望と絶望の入り混じる気持ちの皆さんにあっては,「入社に向けて,いま,何を勉強しておこうか?」と悩んでいることかと思います。

また,人生の帰路から SIer 業界への転職を決めた皆さんにあっても「転職に向けて,いま,何を勉強しておこうか?」と悩んでいることかと思います。

本当はそんなものは「どのプログラミング言語から学び始めるべきか?」という質問くらい愚問です。

「やりたい勉強をするといい」

仕事じゃないんですから,自分のモチベーションの続くように,やりたいことをやりましょう。

しかしそんなことは「やりたいことがある」から言えるんです。みんながみんなキラキラと目を輝かせながら働いているわけではありません。だからあえて断言します。「『なぜ』本」を片っ端から読みましょう。

「『なぜ』本」とは?

「『なぜ』本」は,「10年後も通用する基本を身につけよう」のキャッチコピーで出ている技術本のシリーズです。

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リンク

「プログラミングを勉強してSEになるぞ!」の罠

ここまでの流れでピコーン💡とひらめいたかたは,ここから先は読まなくても構いません。

「えっ,なんで? JavaPHP と Go と PythonRuby を勉強しておかなくていいの?あっ,HTML と CSS も!」と疑問に思ったかたのみ先を読んでください。

ぼくらはズレている

ぼくは去年の1月からIT業界に来ました。

新人研修やプログラミングキャンプなどで Java や IT全般の研修・教育を行っています(もう少し言うと,ぼく自身も民間のプログラミングキャンプで教育を受けてこの業界に来ています)

研修講師として教育担当のかたと会話していると,「教育担当者の思惑」と「新卒・転職のかたの思惑」の乖離が思いのほか大きいのですよ。

話をカンタンにするために,ここからは技術的な話に絞って説明しますね。

新卒・転職のかたの思惑

ぼく自身もそうだったのですが,なぜか新卒・転職のかたはやたらと多言語を勉強したがります

とりあえずの Java に加えて,

なんかをやったりします。

たしかに,技術系のニュースを見るようになると,流行りの言語がいかに素晴らしく,Java の将来がいかに暗いかといった話題ばかり目につきます。 身近に一人か二人は「Ruby やってました」という人もいますしね。

新人研修をする際にも言語経験を聞きますが,メモしきれないほどの多言語経験者は一定割合います。

しかしですね。

こうした「多言語」経験は効果低いです。

「多言語」が役立つのはもう少し「先」

ネット記事なんかでは,むしろ多言語経験を推すものがあります。

employment.en-japan.com

postd.cc

こういう記事をぼくらは目ざとく見つけてきて「ふむふむ」と読みふけるわけですが,これが役立つのは「もう少し先」の話です。

どのくらい先かは分かりませんが,少なくとも「これから業界に飛び込もう」と思っている今ではありません

だってね。

第二言語というのは当然「第一言語」の存在を前提としていますよね。

そんで,第一言語をしっかりやってたら,まだまだやりたいことが尽きないはずなんですよ。

などなど,やりたいことが多すぎて,こんな記事読んでる時間はありません。

「ちょっとハマれなかった」「でも何か勉強しておきたい」そう思ったから,こんな記事を読んでいるんです。第一言語ができていないのに,第二言語もくそもないんですよ。

教育担当者の思惑

乱暴に言って,教育担当者の考える「技術的な基礎」は,次の3つです(アプリケーション開発の場合)。

で,この記事で強調したいのが「IT一般に対する教養」です。

なんでかと言うと,IT一般に対する教養 が,とにかく新卒・転職のかたから軽視されているからです。

ほか2つは分かりやすいんです。プログラミングスクールに通っていれば,カリキュラムも目一杯時間を割かれています。

それに比べると IT一般に対する教養 と言われても,地味だし,そもそも何をやっていいのか分からないし,アピールにもなりづらそうだから,とりあえず後回しになります。

IT教養はいいぞ

ここまでで見てきたように,就職勢と教育担当者の間には意識のギャップがあるんです。このギャップをうまく埋めましょう。そのために,IT教養(ITの基礎・基本)を学びましょう。

IT教養があるほど,新しい内容をスムーズに学べるようになりますよ。

  • 世界史に詳しいヤツは,政治ニュースをサッと理解できます
  • 漫画に詳しいヤツは,新連載を1話読むだけで今後どんな流れになるのかが分かります
  • ミステリに詳しいヤツは,初めて見るドラマの犯人が即座に分か(ることがあ)ります

ザックリ言って,「ITに詳しい奴になりましょう!」という話です。

「『なぜ』本」を読め

この手の「教養を身につけよう」的な話題は「アンテナを高くして技術ニュースを見る/読む」といったフワッとしたアドバイスになりがちです。

しかし,IT業界にいる者がそんな可視化・規格化できないようなアドバイスをするわけにはいきません。

属人性を排除して,「コレとコレとコレをすればOK」という形のアドバイスが必要です。

それが,この記事のテーマである 「『なぜ』本」を読めということなのですよ。

「『なぜ』本」をなぜ薦めるのか?

ちまたにはIT教養本がたくさんあります。

そのなかでもあえて「『なぜ』本」を薦めているのには理由があります。

シリーズ化されている

「『なぜ』本」は,シリーズ化されています。

つまり「この分野はこれ」「あの分野はこれ」と選ばなくていいのです。エイヤッと「『なぜ』本」を全冊購入すればいいのです。これが認知リソースの節約になることは言うまでもありません。

「最良」の1冊を探しあてることも,人生には必要です。

しかし「大量の『良』を読む」という手法も同じくらい必要です。

前提知識が要らない

「『なぜ』本」を読むために,前提知識は要りません

これはIT本を読む上でとても重要なことです。

ITというのは「世界にもともとあったモノ」ではなく「人間が作ったモノ」です。そのため,モノにいちいち名前がついています。あるモノの説明に,別なモノが出てきて,それにもやはり名前がついています。そうすると「専門用語地獄」になって,理解が進まなくなってしまいます。

この点「『なぜ』本」は,そうとう神経質に前提知識がなくても読めるように書かれています。説明の順番が工夫されていたり,注釈がポチポチついていたりします。

ちゃんと「分かる」まで説明してくれる

易しいIT本には「イメージ図でごまかす」手法が取られているものも多数あります。

それが悪いわけではありません。イメージ図や喩え話には,短時間で概要を分からせるチカラがあります。

しかし,少なくともこんな記事を読んでしまうような「ちょっと意識の高いみなさん」は,イメージ図で分かったつもりになるレベルでは我慢できないはずです。

すべてとまではいかないまでも,二段階か三段階くらいは深掘りして,原理原則や仕組みを知りたいはずです。「それって○○なんだぜ」とドヤ顔で言ってみたいはずです。

その点,「『なぜ』本」は,かなり踏み込んで説明してくれます。読みやすいながらも「専門書」として機能してくれます。

そして,仕組みが分かるからこそ,別な話を聞いた時に「ハイハイ,アレに似た話ね」となるのですよ。

情報処理技術者試験の副読本にもおすすめ

IT教養を身につける方法として,IPAの主催する情報処理技術者試験を受験するかたもいるでしょう。

これはとても良い方法です。

情報処理技術者試験は,網羅的に基礎基本(=教養)を出題します。この資格に向けて勉強すれば,自然と試験区分に応じた教養が身につくでしょう。

しかし,情報処理技術者試験の受験勉強をしようとすると,大きな問題があります。

それは,テキストが試験対策に特化しすぎていて,記述が淡白だということです。丸暗記ゲームになってしまいます。ちまたには分かりやすくイメージ図を描いたテキストも販売されていますが,これは結局「イメージ」なのです。

そこで,「『なぜ』本」を副読本に据え,移動時間やちょっとした待ち時間に読み進めるといいでしょう。

または,分からない単語が出てきたときに,「『なぜ』本」の索引で検索するという方法もオススメです。

コンピュータを扱うIT技術者が「単語カードを作って頑張って丸暗記する!」のはなんとも悲しいものです(それが必要な場面もありますけどね)。ぜひ「『なぜ』本」で仕組みを押さえましょう!

「『なぜ』本」ブックリスト

以下が「『なぜ』本」のシリーズです。「いやー……これ全部はキツイっす!」と思ったら,興味があるものだけをとりあえず「3冊」選ぶといいでしょう。2冊でも4冊でもなく,「3冊」選びましょう。

プログラムはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいプログラムの基礎知識

プログラムはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいプログラムの基礎知識

Windowsはなぜ動くのか

Windowsはなぜ動くのか

オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版

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ネットワークはなぜつながるのか 第2版 知っておきたいTCP/IP、LAN、光ファイバの基礎知識

ネットワークはなぜつながるのか 第2版 知っておきたいTCP/IP、LAN、光ファイバの基礎知識

携帯電話はなぜつながるのか 第2版

携帯電話はなぜつながるのか 第2版

Javaでなぜつくるのか 知っておきたいJavaプログラミングの基礎知識

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電話はなぜつながるのか 知っておきたいNTT電話、IP電話、携帯電話の基礎知識

電話はなぜつながるのか 知っておきたいNTT電話、IP電話、携帯電話の基礎知識

システムはなぜダウンするのか

システムはなぜダウンするのか

検索エンジンはなぜ見つけるのか

検索エンジンはなぜ見つけるのか

余談

本編に収めきれなかった内容をいくつか。

やりたいことが決まっているかたへ

上記,アレコレ言っていますが,やりたいことが決まっているならそっちをやってくださいね。

仕事でもない余暇の学習を,他人に強制されてやるもんでもありません

「自分がやりたいことを,やりたいだけやる」というのが最高の方法です。

上記はあくまでも「なーにやろっかなあ(ため息)」と悩める人へのアドバイスです。

最先端を学習したいかたへ

上記,アレコレ言っていますが,最先端技術を学習したいならそっちをやってくださいね。

最先端技術だけでなく,その学習過程で得た知識も,きっと役立つことと思います。

ぼくのモットーは「野心ある起業家を育成して世界をハッピーにする!」ではありません。「あるていど らくに いきたい」であり「生きづらいぼくたちが生き抜くために ひとつでも多くの知識を 知恵にできますように」です。

身近に質問できる人がいないかたへ

呼んでいただければ,空いてる日ならフラッと行きます。一緒に勉強・作業しましょう!

  • 場所 都内 or 千葉県
  • 料金 僕の交通費代(JR千葉駅からの実費)&喫茶店
       生活がキツければ,交通費だけでOKです
  • 対象 IT業界への就職・転職に向けて勉強している方
       「あるていどらくにいきたい」的な世界観の方

ガッツリ講義というのではなく*1,のんびり作業・勉強しましょう。身近に質問できる人がいる状態で勉強するのはそれだけで捗るもんです。民間のプログラミングキャンプもそんな感じの雰囲気です。

気になる方は Twitter でご連絡くださいね!

*1:ガッツリ講義して欲しい人は,別途ご相談ください